【詩】風が哭いている

風が哭いている

哭いている　

夜を突き抜けて

風に顔がついている　

こちらを睨んでいる

なぜあんなことを言ったのか

なぜあんなことをしたのか

恥ずかしくないのか

おとなげないじゃないか

風がこちらを睨んで責めてくる

風が哭き止んでくれるのを

いまかいまかと待っている私は

恥ずかしくて

おとなげない

私

風についている顔は

よく見れば私の顔

風が哭いている

哭いている

夜を突き抜けて