2023-08-12 【詩】声の見える駅 詩 新幹線の窓ガラスの分厚さが 僕の指紋に記憶されている 見送りに来てくれた祖母が 窓ガラスの向こうでジェスチャーしている 顔の筋肉を目一杯動かして 面白い表情をして 僕を笑わせてくれている 口の筋肉を目一杯動かして 必死に伝えようとして 僕に 伝えている あの 祖母の声が見えた駅に 何年も降り立っていないけれど まだ 祖母の声は まだ 見えると思う