みなとみらいの電飾さん。

国語科に関することを書いています。詩も投稿しています。ほとんど備忘録ブログです。

【詩】アダムとイヴの林檎酒

自分で自分を叱れたら 卑しい自分に辟易しなくて済む人生を送れるだろう プライオリティは決まっているのに 気づくと何故か行動はプライオリティを度外視している プライオリティを度外視した行動は プライオリティ つまり、君。 君を傷つけて悲しませている…

藤川幸之助という詩人に出逢った

勉強会がきっかけで「藤川幸之助」という詩人の詩と出逢った。元・小学校の先生とのこと。 徘徊と笑うなかれ 作者:藤川幸之助 中央法規出版 Amazon ※父の遺言でしかたなく始めた認知症の母の介護。24年にもわたる介護の日々のなかで、「なんで俺が」という気…

【詩】穢れなき白

鈍色の空から 穢れなき白が 終わらない 足もとを掬われないよう 雑談で滑らないよう じっと下を向いて 黙々と歩む人の群れ 世にも珍しいこんな日の独り言は 他人同士でも通じ合う 足もとに 穢れなき白が 終わらない 駄目じゃん こんなに穢れがないんじゃ 赤…

【詩】そんな日常

歯磨き粉をつけすぎて 顔をしかめたり 靴を履いた後で 忘れ物に気づいたり そんな日常を いつか君も 繰り返すのだろう 僕と同じように

【詩】昨日より暖かい電車のホームで

黄色いチューリップに ミツバチが止まった こんな僕だけど 君を名付けてもいいかい?

【詩】根

何ヶ月も何年も根に持って 何が悪い 一生許せなくて 何が悪い 傷ついた自分について あのときこんなに傷ついたんですよ と 誰かに言うことで 傷ついた自分を少しずつ癒す そんな方法はたしかにあります それができる人は そうすればいいです だが 僕はそうい…

【詩】紙パックのオレンジジュース

「何もできない」 じゃなくて できることをしよう というか 私にできることをやる以外に 最初から道はない 「気持ちがわからない」 じゃなくて わかろうとしないようにしよう というか わからないなあ と大きくかまえていよう テーブルには飲みかけの 紙パッ…

【詩】大切な不安

大切なあの人と出逢ってから もう ずっと 不安だ 液晶に映し出される事件を見るたびに もう ずっと 不安だ もしあの人が同じような事件に巻き込まれたら どうしよう 不安だ 大切なあの人に出逢う前の自分が持っていた うんざりするほどの能天気さを もう ず…

【詩】逆走

下りエスカレーターを上るために ぼくは万全の準備をしてきた 下りエスカレーターを上るために 靴紐を結び直してきたし 髪もセットしてきた 下北沢で買ったネイビーのコートに合わせて時計も選んできたし ハンドクリームも塗ってきた そこに先客さえいなけれ…

【詩】風が哭いている

風が哭いている 哭いている 夜を突き抜けて 風に顔がついている こちらを睨んでいる なぜあんなことを言ったのか なぜあんなことをしたのか 恥ずかしくないのか おとなげないじゃないか 風がこちらを睨んで責めてくる 風が哭き止んでくれるのを いまかいまか…