みなとみらいの電飾さん。

国語科に関することを書いています。詩も投稿しています。ほとんど備忘録ブログです。

「第69回人文科教育学会大会」感想

第69回人文科教育学会大会感想。仕事が目白押しで休日出勤、電車の中で声だけ聞いて参加。なかでも、筑波大学附属中学校・秋田哲郎先生の「走れメロス」の外伝実践についての感想。

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1.自分の実践

もとになっている実践論文(秋田(2019))を昨年読んでいたので、追試の予定を立てていた。単元名「外伝 走れメロス」。2月に入りようやく「走れメロス」の読みに入れた。明後日より外伝を読み合う。

 

2.余談の部分

「夏の葬列」の創作実践の部分で「余談ですが」として、「舞台設定は作品内の時間の一年後なのに、生徒作品にスマホが出てきた」との報告があった。「外伝 走れメロス」を実践した後だから、共感できた。生徒は、「どのあたりまで原作を踏まえるのか」についての選択権をもっている。または、どこまで原作に沿うのか道筋やラインをこちらから提示しておくことも必要だろうか。この判断は、外伝や続き物語の創作でどのような力をつけたいのかという、単元目標に依拠しそう。今回の自分の実践では「メロスの飼っている羊」を主人公にする生徒が一定数いた。これは「原作」に沿いつつ、視点をどこに置くかによって作品の視点さえ変わっていく外伝の面白い所が表出したなあ。

 

3.構想ワークシート

秋田先生がおっしゃっていた、【「問い」は作れても、それをどのように作品に昇華していくか】という課題について。構想ワークシートの段階での個別指導がどれだけできるか、そしてそれに割ける時間をどう設定・やりくりするか、が今回難しかった。また、進み方・書き方には「ノートに一回すべて下書きしてから清書する」「指導者と話しながら場面ごとに作っていく」「ワークシートの時点で主要なセリフを決めておく」など、本当に「作者」によってバリエーションがある。現実的には一人で全員を見ていくのだけど、二人以上で見れたらもっといいよなあ。国語科にはTTないのかなあ。こと、創作にかんしては、いろいろな指導者が関われば関わるほど、いろいろな創作者や視点が関わるということになるので、ポジティブな化学反応も起きると思うのだがなあ。